リフォームの見積もりは、依頼前の準備がその後の良し悪しに大きく影響します。
ここでは依頼前から見積書を確認・比較するところまで、4つのステップ別に注意点やポイントを紹介します。
リフォームを検討するならリショップナビで見積もりしよう
「リフォームをするかどうか迷っている」「リフォームをするのにいくらかかるか知りたい」そんな方はリフォーム費用を見積もりできる一括査定サイトリショップナビを使って専門家の話を聞くとよいです。ステップ1:見積もり依頼前のポイント
どんなリフォームに対して見積もりを出すのか、事前に明らかにしておかないと、見積もりの精度が上がらず、比較もできません。
例えば、キッチンリフォームだとすれば、次のような希望の違いがあります。
- そもそも何人家族用のキッチンか
- キッチンのレイアウト変更はあるか
- 壁や床はリフォームの対象になるか
- ガスコンロとIHのどちらを使うか
- 給排水管や換気扇の移動はあるか
- 収納はどのくらい必要か
このような違いによって、単に既存のキッチンを新しいシステムキッチンに入れ替えるだけのリフォームから、レイアウトを変えて壁や床も張り替え、給排水管を変更して収納も増やすような、大がかりなリフォームまで差があります。
場合によっては、壁を一部壊してキッチンを拡張する工事もあるでしょう。
何をして欲しいのかはっきりさせ、必要な工事にかかる費用を知るのが見積もりです。
迷ってしまうなら、絶対欠かせない工事だけピックアップし、その他の工事はリフォーム業者のプラン提案に任せる方法もあります。
いずれにしても、先に希望を明らかにしておくのは、見積もり前の必須作業です。
希望の考え方は、こちらで紹介しているので参考にしてみてください。
リフォームを行う際の流れは業者にもよりますが、だいたいが決まっています。実際にリフォームをすることになったらどういう手順で進むのか、それぞれにかかる期間やポイント・注意点と合わせて解説しますので、事前にイメージしたり、実際その手順で[…]
ステップ2:見積もり依頼時のポイント
見積もり依頼は、希望するリフォームを工事できる業者に依頼します。
インターネット、雑誌、カタログ、ショールームなどで施工事例を見れば、希望するリフォームができそうな業者を探すことができます。
また、大まかなリフォームの希望を入力すると、対象のリフォーム業者を複数紹介してくれる一括見積もり サービスもあります。
ただ一括見積もりサービスは、地域のリフォーム業者を自動的に選んでくれるので便利ですが、事例を見て自分で探したほうが納得できるでしょう。
なお、施工経験がない業者でも、施工できる下請を使えば一応の工事は可能です。
しかし、下請任せの業者よりも、事例を見て施工実績が豊富な業者を探すほうが、何かと不都合は起きにくいのは確かで、知名度だけで選ばないようにしたいところです。
希望に合っているかどうかは見積もりで確認
最低でも施工が可能な業者、それもできれば経験が豊富な業者を選んで、見積もり依頼するのは、確実な施工を求める上で必要です。
しかし、完全に希望通りの工事が可能かどうかまで、事前に判断することはできません。
それは、実際に現場を見てみないと、業者としても希望の工事ができるかどうかわからないからで、現地調査によって精度の高い見積もりになります。
したがって、まずは希望のリフォームができそうな業者を事前に選び、見積もりを見てふるいにかけるつもりで考えておきましょう。
ステップ3:現地調査時のポイント
業者を選定したら、リフォームしたい箇所を現地調査で直接見てもらい、希望するリフォーム内容を詳細に伝えて見積もりしてもらいます。
このとき、複数の業者に違う希望を伝えてしまっては、見積もりを比較できなくなるため、同じ内容を伝えるようにします。
工事費の見積もりは、使われる建材・設備、使用する部材・金具、塗料やコーキング剤の質、職人の数などの違いで、どうにでも変わる性質を持っています。
そのため、できるだけ条件に差が出ないように、自分でも勉強が必要です。
リフォームの結果だけに意識を向けず、リフォームにはどんな工事が必要なのか、あらかじめ知識を付けておくと、悪徳業者対策にもなります。
見積もり業者を相手に勉強しよう
例えば、最初に見積もりに来た業者に必要な工事を聞いておけば、次の業者以降は、同じ工事をする前提で話ができます。
もし追加工事の話が出たら、最初の業者が追加工事を隠していたのか、次の業者が不要な追加工事をしようとしているのか、見積もりを持ってきた時点で確認できます。
また、相見積もりをするときは、リフォームの希望を業者ごとに伝えるため、だんだん業者が聞きたがっているポイントもわかるようになってきます。
その結果、必要な工事もわかってきて、追加工事が発生しないように、うまく希望を伝えられるようになるでしょう。
認識の食い違いを発生させない
見積もり依頼時は、施主と業者の認識に食い違いがあると、後から想定外の追加工事が発生して、せっかくの見積もりが有効に活用できません。
次のような食い違いが無いように、業者とは十分に確認しておきます。
- 工事をする範囲(工事面積に含まれる範囲)
- 建材や設備、部材や部品等のグレード
- 建材や設備の色や柄
- 設備がある場合の取り付け位置
- 別途発生する可能性のある工事と費用
- 仮設工事(足場や養生シート)の有無
- 既存設備の取り外し費用の負担
- 希望通りの工期
- 工事後のクリーニング
- 工事後の保証やアフターサービスの有無
- 工事費の支払時期(前金、分割、後払い)
あるアンケート では、リフォーム後に不満が残った回答で、色や柄、取り付け位置に関する回答が上位になっていました。
自分なりの解釈をせずに、必ず文書やカラーサンプルで確認しておくこと、確認後も念押しして再確認することが大切だと言えます。
ステップ4:見積もり確認時のポイント
見積書を受け取ったら、必ず業者と一緒に現場を確認し、どの項目が何のために計上されているか説明を受けて、必要な工事に必要な費用が計上されていることを確認します。
これをしないと、不明な費用に疑問を持ったまま工事が開始されてしまいます。
また、このときでもお互いの認識の食い違いを確認できるので、食い違いがなければ安心して工事に臨めます。
見積書を見るときは、他にも次の点に気を付けてチェックしてみましょう。
1.工事期間が未記入
希望を伝えているのに、工事期間が未記入の場合は、業者の都合で工事開始が遅れたり、理由を付けて工事完了が遅れたりします。
ただし、あくまでも見積書は金額を伝えるもので、契約前に職人や下請のスケジュールを押さえておくわけにもいかず、契約書に工期を入れる場合もあるようです。
2.建材や設備の単価
すべてに該当しませんが、建材や設備には単価があり、業者が発注して工事します。
特にメーカー製であれば、カタログ等で単価を確認できるはずなので、過剰に単価が高くなっていないか確認します(少しくらいの上乗せはあっても普通です)。
数量と単価がなく、一式工事とされている場合でも、勇気を出してなぜ単価表示がないのか聞いてみるべきです。
本当に単価表示ができない工事もあるので、そのときは業者から説明があるはずです。
そして、こうした例ではメーカー名や品番も省略してあり、注文したものよりもグレードの低いものが使われる可能性もあります。
詳細のない見積書は不正の温床なので、施主は厳しくチェックしなくてはなりません。
3.数量が正確か見抜く
現地調査では採寸もするので、数量の項目が極端に必要量から外れることはありません。
どうしても余分が出てしまうのは仕方がないとしても、例えば150㎡の屋根を塗装するのに、200㎡の数量で見積もりが出たりします。
ほとんどの施主は、数量が正確であるか実測などしませんが、相見積もりをしていれば、他と違う数字を使ってくる業者は怪しいとわかります。
4.二重計上に注意
二重計上は、詳細が不明な諸費用、諸経費などが利用されやすく、これらが何を積み上げて計上されているのか確認しなくてはなりません。
諸費用に含まれていそうな、雑費、運搬費、処分費などで別計上されているのに、さらに諸費用が計上されていれば一応疑ってみます。
5.意味不明な値引き
元々が高い見積もりで、大幅に値引きして普通の金額になっていることがあります。
通常、値引きというのは、特定の条件を満たしたとき(例えば期間限定の申し込み)や、端数を合わせてキリを良くするために使われるものです。
したがって、正当な金額で見積もりしていれば、工事費の半分も値引きするような、大幅な値引き額になるはずがありません。
こうした見積もりでは、追加工事が発生したときに値引き外で高額ですし、大幅な値引きでアピールしようとする業者の意図が感じられます。
6.見積書と契約書は違う
見積書は工事金額を事前に提示するもの、契約書は工事請負契約を正式に締結するもので、両者の性質はまったく異なります。
ですから、普通に考えて見積書に署名欄や押印欄がある理由はなく、見積書に署名や押印させようとする動きがあった時点でその業者はやめましょう。
7.見積書を比較するときは
見積書の書式は、業者によって違いますし、見積書に書かれている内容も違います。
それでも、同じ工事をするのですから、見積書に共通の内容が必ずあるはずで、同じ意味合いの数字を、それぞれの見積書から抜き出して比較するとわかりやすいです。
工期も合計金額も同じなのに、一方は材料費が安くて、一方は工事費が安い場合は、それぞれがなぜ安くなるのか考えてみるべきでしょう。
基本的な考え方として、高い見積もりよりも安い見積もりのほうが、希望とのギャップが生まれやすくなります。
まとめ
リフォームの見積もりで施主にできることは、
「希望の工事ができる業者を探すこと」
「リフォームの希望を正確に業者に伝えること」
「妥当な見積もりを見抜くこと」
です。
悪質な業者ほど、見積書に何らかの形で表れてくるものですし、現地調査の際に適当なことを言って誤魔化そうとします。
しかし、リフォームのトラブルは、相手が善良な業者でも起こりやすく、それは相互の認識の食い違いで発生します。
リフォームを成功させる秘訣は、思った通りの工事をしてくれる確信が得られるまで、何度でも業者と打ち合わせをして認識を擦り合わせることでしょう。
そのためには、受け身ではなく積極的に質問できるように、自分でも知識を付けて、見積もり依頼に備えることが大切です。