便器だけ見ると温水洗浄便座、TOTOでいうウォシュレットの登場以降大きな変化がないように思えるトイレですが、空間の捉え方は変わってきています。
お風呂同様プライベート空間として考えた時、トイレは用を足すだけの役割ではなくなるのです。
例えば風水的に…など賛否両論はありますが、“トイレ読書”という言葉があり、それを勧めている経営者の方もいます。
そのようなプラス要素もぜひ検討したいところですが、まずは最低限押さえておきたい5つのポイントを知っておきましょう。
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来客があるときや自分が他の家に行ったとき、トイレの良し悪しはとても気になります。
完全なプライベート空間で、汚れやすい場所でもありますが、それだけに綺麗で快適に保つことは、その家(その家の人物)の評価にも繋がるからです。
朝のトイレをくつろぎの時間にする人もいるくらいで、トイレは本当に侮れません。
入った瞬間に感じる臭いを最重要課題とし、清潔感の維持を考慮にリフォームします。
【トイレで起こりやすい不具合】
- 臭いが取れない
- 湿気で内装が傷む
- 床がどうしても汚れる
- 寒さが気になる
- 便器が詰まりやすい
- 給排水管や止水栓の水漏れ
- タンクの水漏れ
便器やタンク、給排水管等は設備なので、選定には関わっても施工は業者に頼るしかなく、リフォーム時に自分で考えるとすれば内装の工夫です。
1.脱臭は換気がポイント
トイレの臭いが、便器や床など下部から発生するのは、原理的に当然です。
そして、換気扇を設ける場合、天井や壁の高い位置に取り付け排気するのが一般的です。
吸気はドアの隙間等から自然にされるか、ドアの下部にブラインド状の吸気口(ガラリといいます)を取り付けて行います。
排気が上部なら吸気は下部にしないと、両方とも上部では吸気と排気が近すぎて、上部だけで換気されるため意味がないからです。
この方法では、下部で発生した臭気を上部に引き上げて排気するため、どうしても人間の鼻の位置を臭気が通過することになり、臭いを感じやすくなります。
理屈としては、臭気が発生する下部で速やかに排気するほうが効果的で、その場合は上部に吸気口が必要になるでしょう。
最近は、強力な脱臭機能が付いた高性能のトイレも発売されているので、臭いを感じないためには、逆に上部の換気扇を回さないほうが良いかもしれません。
また、窓の設置は音が漏れる問題もあり、上部に取り付けること、2つなければ空気が循環しにくいことを考えると、1つの窓で効果的な換気はできないと考えましょう。
2.臭いの発生を抑える通気管
排水を流す設備には、必ずトラップという仕組みが存在し、一般的には、排水口から伸びる排水管を、S字やU字に曲げて作ります。
排水管がむき出しになった洗面所等で、一度は見たことがあるのではないでしょうか?
排水管が曲げられたトラップには水が残るので、この水が排水管から上がってくる臭気を遮断する役割を持ちます(封水といいます)。
トイレの便器に、少量の水が溜まっているのも、封水で臭いを逆流させないためです。
何らかの理由で封水がなくなれば(封水が破られるといいます)、排水管と排水口が直通するので、排水口から臭いが立ち込め、いくら換気をしても臭いが取れません。
トイレ内に個別の手洗い器を設置する場合、2つの排水口があることになります。
排水管が繋がっている設備は干渉し合う
どこかで排水がされた場合、排水管に水が流れることで、同じ排水管に繋がっている他の設備では、次のように封水が減少します。
上流側(水の流れる方向と反対側)にある設備は、排水管内の空気が引っ張られ気圧が下がるので、トラップ内の水が排水管側に引き込まれ減少します。
下流側(水の流れる先にある側)にある設備は、排水で空気が押され気圧が上がるので、トラップ内の水が排水口側に噴き出し、その結果減少します。
つまり、同じ排水管に繋がった複数の設備は、他の設備の排水に影響されて、封水が破られてしまう可能性があるということです。
トイレでは大量の水を流すので、特に2階にもトイレがあると、1階のトイレの排水が、2階のトイレの封水を引き込みやすくなります。
他にも、トイレと別に手洗い器がある場合は、トイレの排水管とも繋がっているでしょうから、トイレの排水で手洗い器の封水に影響が起こります。
通気管の設置で改善する
他の設備で排水されても、封水が破られないようにするためには、排水管内の気圧を一定に保つために、空気を吸排気する通気管を繋げます。
または、排水管の口径を大きくして、気圧変動が小さくなるように対応します。
通気管をそのまま外部に開放すると、排水管から上がった臭いが外部に拡散されます。
このとき、窓などから臭いが戻ってくる可能性があるので、解放場所には要注意です。
なお、トイレの封水が減るだけで、噴き出す現象が発生していないなら、通気管から吸気だけを行い、排気をしないように作られた通気弁を取り付けると臭いがなくなります。
3.湿気
トイレは他の部屋に臭いが移らないように、できるだけ密閉された空間にし、換気扇や窓などで外部に臭気を排出するのが一般的です。
常に水があって気密性が高ければ、湿気がこもるのは当然でしょう。
ジメジメして夏場は気持ち悪く、カビも一面に発生するので、臭い対策と同じように湿気においても換気が大切で、風通しが良い方角に通気口や窓の設置、なおかつ採光を得られると湿気には効果的です。
それも難しければ、洗面所でも紹介したエコカラットのように、調湿・消臭効果のある壁材で対策する方法もありますが、どこまで効果があるかは定かではありません。
https://www.tochikatsuyou.net/reform/washstand/
4.床の汚れ
トイレの床を汚すのは主に男性で、座って用を足す女性はあまり汚しません。
男性が用を足すときでも、見た目ではまったく気が付きませんが、便器外のかなりの広範囲に飛び散っているのが確認できます。
家族であれば、座って使うように言えますが、来客時は仕方がないので、結局こまめに床掃除をするしかありません。
したがって、水分が染み込まず拭き掃除に耐えうる床材を選びましょう。
また、手洗い器と手拭き用のタオル等が離れていると、床に水滴を落としますし、タンク上部の手洗い器は小さくて床を汚さずに上手に洗えません。
手洗い器の設置と手拭き用のタオル等は、位置にも配慮が必要です。
5.トイレの寒さ対策は意外と難しい?
トイレは間取りが狭く暖めやすいですが、その代わりに壁に囲まれているので、壁が冷えるとすぐに寒くなります。
さらに窓が付いていれば、壁よりも明らかに断熱効果が小さく、冷えやすくなります。
トイレが寒い場合、手っ取り早い対策は小さなヒーターを設置することです。
最近ではセンサー式のヒーターも売られているので、毎回スイッチをON/OFFする必要もなく経済的ですし、消臭機能付きならダブル効果で人気です。
ヒーターはリフォーム後に考えれば良く、まずは断熱効果を高めなくてはなりません。
複層ガラスの利用や、現在窓があるならリフォーム時は窓を外すことも考え、壁の断熱は手抜かりがないように施します。
ただし、窓を外した場合は、高性能な換気扇や脱臭機能付き便器を要します。
まとめ
基本的にトイレのリフォームを考えるきっかけは、匂いや汚れなどの不快感が多いと思われ、それを中心に取り上げました。
他にも冒頭で紹介したように、トイレのプライベート性を意識した場合は、少し大がかりな工事(リノベーション)になりますが、今よりも広いスペースを確保することも考えられるでしょう。
それはゆくゆく年をとって足腰が悪くなってきた時、手すりの取り付けを容易にしたり、歩行器を使っても使いやすいトイレになるのです。
今後そのような事例も取り上げますので、楽しみにしていてください。