『土地査定を制する者は、土地売却を制す。』
以前、この言葉を耳にしてドキッとしました。
土地の売却は、正確な土地査定により適正な相場を掴むことができたら、思っていたより高値で土地を売却できるものです。
土地を売却すべく正確な土地査定額を把握するため、まずは土地査定を依頼しようと思っても、査定してくれる不動産会社に詳しくなく、どこに依頼したら失敗せずに高く売れるか悩まれているかと思います。
ただでさえ、「不動産会社はしつこく営業されそうで怖い…」と感じているのに加えて、土地査定では何を見て査定額を出しているのかわからず、「査定額は適正ではなく怪しい」と感じることもあるでしょう。
土地の売却は人生で何度も経験するものでなく、さらに高価な取引になりやすいからこそ、できることなら損せずに売却したいと思いませんか?
ここでは、実態がわかりにくくブラックボックスになりがちな土地査定について、査定を依頼する不動産会社の選び方から、どのように土地査定額が出されているのか土地査定の方法や、自分で調べる方法をご紹介します。
まずは、土地査定をどこに依頼するのか考えていきましょう。
土地がいくらで売れるかを知るには一括査定がおすすめ!
土地を売却する際に、結局のところ土地はいくらで売れるのか気になると思います。
土地がいくらで売れるのかを1番正確に把握する方法としては、実際にその土地を売ってくれる不動産会社に聞くことです。後ほど、土地評価額を知る方法や自分で計算する方法もご紹介しますが、何となく土地の価格を把握できても、実際に売却する際の正確な価格を出せるわけではありません。正確な土地評価額を知るためには、不動産会社に土地査定を依頼して、土地査定額と相場を知ることが必要です。
ですが、土地の査定を不動産会社に依頼するべく近所の不動産会社1社だけに依頼してしまうと、不動産会社からは1社の土地査定額しか知らず相場がわからないからと、足元を見られ低い土地査定額を提示されやすくなります。結果、土地売却は成功したものの、相場より大幅に安い金額で売却してしまい、かなりの損をすることもあるでしょう。
『土地査定を制する者は、土地売却を制す。』とは、仲介手数料で儲けを出している不動産会社にとっても同じです。実際に、不動産会社にとって都合の良い土地査定をされてしまい、売主に利益のない土地売却となっている例も見てきました。
土地査定額は不動産会社にとって都合良く出されることが多く、以下のような土地査定額を比較したデータもあります。
筆者も実際に実家の査定を不動産会社8社に依頼したところ、査定額が安い会社と高い会社とで差が330万円もありました。もし、低い土地査定額で実家を売却していたら、330万円損をしていたかもしれません。
この経験より、土地査定は必ず複数の不動産会社に査定を依頼するようおすすめしています。
ですが、自分で何社もの不動産会社に電話をしたり足を運んだりして査定を依頼するのは難しいものです。そのため、土地査定のプロである複数の不動産会社に土地査定をしてもらうなら、不動産一括査定サイトの利用をおすすめしています。
土地の売却をする時、最も気になるのは自分の土地がいくらで売れるかではないでしょうか。土地の価格は日常的に目にするものではないので、売却価格がどのようにして決まるのかよく分からず不安な方が多いと思います。土地の売却価格は周辺の[…]
おすすめの不動産一括査定サイトは「HOME4U」
不動産一括査定サイトとは、土地を査定したい人と複数の不動産会社をつなげるマッチングサービスを提供するサイトです。
不動産会社ごとに土地査定のポイントが異なり、土地査定額も若干異なってきますので、一括査定サイトで複数の不動産会社に査定してもらい土地査定額を比較検討すると、高値で土地を売却してくれる不動産会社に出会えます。
数ある一括査定サイトの中でも、より高値で土地を売却できている方は「HOME4U」を利用していました。
不動産一括査定サイト「HOME4U」は大手NTTデータが運営する、日本で初めて不動産一括査定サービスを開始したサイトです。
HOME4Uは、大手不動産会社から地元密着企業まで幅広い不動産会社と提携しており、運営歴18年の安心感があります。
運営会社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング | |
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運営開始時期 | 2001年11月 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 700万人 | |
提携会社数 | 1,300社 | |
同時依頼社数 | 6社 |
始めてHOME4Uの不動産一括査定サイトを使う方は「HOME4Uを使うデメリットはあるのだろうか」「HOME4Uよりも優れたサイトはあるのか」などと疑問に思うのではないでしょうか。不動産一括査定の公式ページには利用者の口コミがよく書[…]
様々なニーズを汲んで査定してくれる「HOME’S」もおすすめ
土地の売却を考えている方の多種多様な希望に沿って査定をしてくれるのは「HOME’S」です。
売るか貸すか迷っている、土地の状況から考えてどちらの方がお金になるかわからず困っているのであれば、「HOME’S」に土地査定を依頼して売却にするか賃貸にするか相談すると良いでしょう。
また、訪問査定と簡易査定どちらの査定方法でも無料で依頼可能です。
土地の売却を検討している方には、正確な査定額を出してもらえる訪問査定をおすすめします。
運営会社 | 株式会社LIFULL | |
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運営開始時期 | 2014年 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 612万人 | |
提携会社数 | 約1,700社 | |
同時依頼社数 | 6社 |
ホームズ(HOME`S)と聞くと、賃貸物件を探すときに使うサイト、新築・中古戸建て/マンションを購入するときに情報を得るサイトというイメージが強いのではないでしょうか。そんなイメージとは裏腹に、ホームズ(HOME`S)は不動産の売却[…]
首都圏なら「すまいValue」
中には、業界大手の不動産会社でないと信用できないと思われている方もいらっしゃるでしょう。そのような方には、土地が首都圏や大阪・名古屋・福岡など主要都市にあれば「すまいValue」をおすすめしています。
すまいValueはCMでおなじみの東急リバブルや三井のリハウスなど、業界1、業界大手6社が運営する一括査定サイトです。
6社直営のサイトなので、必ず6社いのいずれかが無料で査定してくれます。他の一括査定サイトでは査定を依頼できない会社もありますので、大手に査定を依頼したい場合はすまいValueの利用が断然おすすめです。
ただし、大手不動産会社だけだと査定額が偏ることもあります。地域密着型の不動産会社に査定額を出してもらうために、他の一括査定サイトも併せて使用してみると良いかもしれません。
運営会社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング | |
---|---|---|
運営開始時期 | 2001年11月 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 700万人 | |
提携会社数 | 1,300社 | |
同時依頼社数 | 6社 |
電車などに乗っていると、「あなたの不動産を大手6社が一括無料査定」というすまいValueの広告を見かけます。すまいValueを使うと、不動産の売買仲介手数料でTOPを占める小田急不動産、住友不動産販売、東急リバブル、野村の仲介、三井[…]
土地が田舎など地域にあるなら「イエウール」
田舎など地方にある土地を売りたい場合には、地方の地元に密着した不動産会社と連携している、イエウールがおすすめです。
上記した2つの一括査定サイトと比較して、質の良い不動産会社が非常に多く1,900社を超える不動産会社と連携していることから、1番自分に合った不動産会社と出会えるでしょう。
上記のどちらか一括査定サイトをまずは登録してみて、合わなければ登録してみるのも良いかもしれません。
運営会社 | 株式会社Speee | |
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運営開始時期 | 2014年 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 1,000万人 | |
提携会社数 | 約1,600社 | |
同時依頼社数 | 6社 |
イエウールは株式会社Speeeの運営する不動産一括査定サイトです。2014年にサービスを開始し、今年で6年目になりますが提携している不動産会社数が約1600社、利用者数が1,000万人と自他ともに認める実績を保有しています。[…]
以上、おすすめの4サイトをご紹介しましたが、不動産一括査定サイトを使うときは2サイトを同時利用したほうが良いです。
1サイトあたりの平均査定依頼社数が1~2社であるため、1サイトだけでは十分に査定額を比較することができません。どれを使うか迷ったら「HOME4U」と「HOME’S」を同時に使用しましょう。
土地査定にかかる費用と準備すべき書類
土地査定を依頼しようと思った際に気になるのは、費用がかからないかどうか、準備したり確認したりすべきことはないかだと思います。
土地を売却するためには、仲介手数料や、各種税金、測量費など想像以上に費用が必要となります。費用は全て一律というわけではなく、売却額に応じて変動するものもあります。一括査定サイトを利用すればおおよその売却額は簡単に把握することができますの[…]
土地査定は無料で不動産会社に依頼できる
まず土地査定はほとんど無料で不動産会社に依頼することができ、不動産一括査定サイトの利用ももちろん無料です。
「わざわざ所有している土地まで出向いて査定してくれるのに本当に無料なの? どうして?」と思う方も多いことでしょう。
土地査定が無料で受けられるのは、土地の査定は不動産会社が土地を売りたい人と媒介契約を結ぶための足がかりと位置付けられているからです。
よって、不動産会社は土地査定をした人に、なるべく自社で媒介契約を結んでほしいと考えています。
土地査定後に不動産会社から「土地を売りませんか?」と営業の電話がくるのも、これが理由です。
土地査定に必要な書類を準備しておく
土地の面積や所在地など簡単な情報のみで土地査定額を出す机上(簡易)査定では、特に準備するべき書類はありませんが、実際に土地を見て査定額を出す訪問査定では以下の書類が必要です。
高く売るためには必ず準備しておきましょう。
名称 | 書類内容 | 取得方法 |
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登記簿謄本(登記事項証明書) | 法務局の登記簿にある情報(土地の所有者・面積など)を記載した書類 | 法務局かインターネット |
公図 | 土地の形状、地番、道路、水路や隣接地の位置関係を示した書類 | 日本全国の登記所やインターネット |
土地測量図 | 土地の形状、面積、測量方法などが記載された書類(3年以内) | 法務局 |
固定資産税納税通知書 | 土地にかかる固定資産税を通知する書類 | 毎年6月に送られてくる |
登記済み権利証または登記識別情報 | 土地の登記が完了したときに法務局から交付される書類 | 土地の所有者の手元にあるはず |
上記書類の中でも特に重要な書類は、土地測量図です。
基本的に土地の価値は、「有効活用できるか」で決まります。
そのために、大前提として土地の境界線はどこで土地の広さはどのくらいか、それを踏まえて規制から床面積や容積率がどれくらいまでの建物を建てられるかを明確にしておくことが重要です。
土地測量図には、それらを明確にするために必要な土地の面積や隣接地・道路との境界線が書かれてあります。
査定を依頼するときは必ず土地測量図を用意するようにしましょう。
土地の測量図は全国の法務局で、法務局で測量図の請求書を記入して、450円分の収入印紙を貼って窓口に提出すると入手できます。また、わざわざ法務局まで出向くのがめんどくさい方は、インターネットで請求して郵送してもらうことも可能です。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
測量図でも土地の境界線が明確にならない場合には、専門の会社に土地の測量を依頼する必要がありますが、自分で測量を依頼するのは難しいものです。そのような場合には、土地査定を不動産会社へ依頼する際に確定測量をしたい旨を伝えると、専門の会社に繋いでくれます。
土地を売却する場合、面積や坪単価に基づいて査定されるのが一般的です。土地の面積は不動産の登記簿謄本を取り寄せれば記載されていますが、築年数の古い建物が建っている場合や古い土地の場合、記載されている数値が正しいかどうかわからないのが現状で[…]
土地の利用履歴を確認する
土地の査定前に土地の利用履歴を確認して、土地の中に有害物質や土地の利活用を阻害する埋設物が埋まっていないかどうか確認しましょう。
今は居住用として土地を利用していても、過去に化学工場が建っていると身体に有害な物質が埋まっている可能性や、解体の際に埋まっていた土器が発掘され埋蔵文化財包蔵地となる可能性もあります。
土地の査定では土地の表面的なチェックしか行わないため、土地の所有者が不動産会社に申告をしなければ土地査定額に反映されません。土地中に埋設物等が埋まっている可能性があっても、所有者としては言いたくない気持ちになるかもしれませんが、土地の瑕疵が売却後に見つかれば売主は瑕疵担保責任を負います。
瑕疵担保責任に問われると、売主は莫大な損害賠償金を支払わなければなりません。そのため、最初から有害物質や埋設物を除去した方が結果的にお金はかからないでしょう。土地の利用履歴をみて土地に何か埋まっている可能性があれば、はやめに不動産会社に連絡して埋設物を撤去してくれる業者を紹介してもらううことをおすすめします。
隣接する土地や道路状況を確認する
土地査定の評価項目には、隣接する土地や道路の状況も影響します。
隣接している土地に問題があったり、道路が私道や幅が2m未満だったりする場合には、売れない可能性もあります。
道路が2m未満であれば建物を建設できないと建築基準法で決まっており、仮に建物が立っていたとしても、それを立て替えることはできません。
そのことを知らずに土地査定を依頼すると、隣接する土地や道路状況から相場よりも低く土地を査定されてしまう可能性もあります。査定を依頼する前に確認しておくと良いでしょう。
土地査定を依頼する際の6つの注意点
土地一括査定をする際に注意しておきたいポイントは6つです。
土地査定を受ける時の6つの注意点
- 土地査定に費用がかかるか確認する
- 土地査定は相場が高い時期にする
- 土地査定額を鵜呑みしない
- 仲介を依頼する不動産会社は担当営業マンで決めるく
- 不動産会社の執拗な営業に注意する
- 売却以外の土地活用方法も知っておく
土地査定に費用がかかるか確認する
不動産会社からの連絡で訪問査定の日時を合わせる際には、査定に費用がかかるか確認しておきましょう。
不動産一括査定で査定を依頼することは無料で、不動産会社による査定も基本的には無料ですが、不動産会社によって有料なところもあります。
そのため、訪問査定をする前に査定に費用がかかるか、かかるのならどのくらい費用がかかるか確認しておき迷う。
土地査定は相場が高い時期にする
不動産価格の相場は、季節と時期によって変動します。これは需要と供給の関係です。
季節的な相場として、日本では新生活が始まる4月に向けて需要が高まり、不動産は2~3月に1番高く売れます。そのため、10~12月にかけて土地査定をして売却の準備をしておくと良いでしょう。
また、オリンピックや万博などのイベントに合わせて、また新しい商業施設の建設に伴い再開発がされていると、そのエリアの土地価格は高くなる傾向にあります。例えば、2020年は東京オリンピックが開催されるため、観光客が訪れるであろう観光スポット周辺の地域は、地価の上昇がピークとなることが見込めます。
そのため、観光スポットのエリア周辺に土地を所有している場合には、東京オリンピックの開催前に売却すると高く売れるでしょう。
土地査定額を鵜呑みしない
不動産会社が提示してくれた土地の査定結果は鵜呑みにせず、自分でも相場を調べるようにしましょう。
相場を調べることで、実際に売れそうな価格と明らかにかけ離れた査定額がわかるようになります。
不動産会社の中には査定依頼者と媒介契約を結ぶべくあえて査定額を高めに提示し、土地の売り出し価格を高めに設定させてきた後に、土地が売れなくなると売主に価格を下げるよう伝えてくる業者もいます。
それにより、土地の販売期間が長期化して固定資産税などの無駄な費用を払い続ける状態にもなるでしょう。
査定結果の妥当性を判断するためには、さらに以下の2つに気を付けることをおすすめします。
- 最も高い査定額、最も低い査定額はなぜその価格になるのか根拠を不動産会社に確認する
- 根拠が明確でない場合はその査定額は信頼しない
土地相場の調べ方を知りたい方は以下の記事もご覧ください。
土地の売却をする時、最も気になるのは自分の土地がいくらで売れるかではないでしょうか。土地の価格は日常的に目にするものではないので、売却価格がどのようにして決まるのかよく分からず不安な方が多いと思います。土地の売却価格は周辺の[…]
仲介を依頼する不動産会社は担当営業マンで決める
土地の売却を検討している方は、土地査定を依頼した不動産会社の中から仲介を依頼する不動産会社を選ぶかと思います。
仲介の契約である媒介契約を結ぶ不動産会社は土地査定額が高いという理由だけで選ばないようにしましょう。
理由は先述したように、経営戦略上わざと高い査定額を出す不動産会社もいるからです。
土地を高く売りたい方は、担当営業マンの交渉力の高さに着目して不動産会社を選ぶのをおすすめします。
土地が高く売れるかどうかは、実際のところ不動産会社の良し悪しよりも、担当営業マンの交渉技術次第だからです。
同じ会社、同じ条件の土地でも、担当営業マンの腕の違いで土地の売却価格が50万円も変わったという話を聞くほどです。
交渉力の高い営業マンを見極めるポイントは以下です。
誠実さ |
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交渉力 |
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相性 |
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知識 |
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土地や家を売却したいとき不動産会社に仲介売却を依頼しますが、不動産会社といっても大手から中小、都市部の不動産売却を得意としている会社、地方の不動産売却を得意としている会社などその特徴は様々です。大切な不動産を依頼する相手ですから、不[…]
不動産会社の執拗な営業に注意する
不動産会社にとって、土地の査定は土地を売りたい方と媒介契約を結ぶための手段です。
そのため、査定を依頼する方がまだ売却をする気がなくても、土地の売却をしませんかと執拗な営業をかけてくることがあります。
もし、あなたがまだ土地を売ることを考えていないのであれば、そのような営業電話に対して「まだ土地を売る気はありません」ときっぱりお断りすると良いでしょう。
売るつもりがなくなった、またしばらくは売らないと決めた場合には、「他で媒介契約を結んだ」と言えばもう電話はかかってこなくなります。
また、不動産一括査定サイトを使って土地の査定を依頼した結果、電話での第一声で「土地を売る気はございますか」と聞かれ、「ありません」と答えると急に冷たい対応をする営業マンもいます。
そのような不動産会社は、土地査定の対象者を土地の売却を検討している人に限っている可能性があります。
土地の売却を任せたくないと感じた電話対応の場合は、他の不動産会社に土地の査定を依頼しましょう。
売却以外の土地活用方法も知っておく
土地査定をされる方は土地の売却を考えられていると思いますが、土地査定の前には売却以外の選択肢も考えておくことをおすすめします。なぜなら、現在は土地が余っている状況で、土地査定をしても思ったような金額にならなかったり、そもそも売れなかったりする可能性もあるからです。そのような場合には、土地を所有したまま活用し、土地の相場が高くなる時期に売却した方がお得なことも考えられます。
以下、おすすめの土地活用方法をご紹介します。
広い土地なら太陽光発電
所有している土地が広い土地で、どうにか活用できないかと考えている方は、太陽光発電がおすすめです。
原子力発電所の問題から、日本では電力の供給をどうするか深刻な問題となっています。太陽子発電は自然エネルギーであり、電気の必要な人に環境を害せず電気を共有できると考えると、活用しない手はありません。
ただし、土地に適しているか考えなければ無駄に費用がかかっただけになりますので、1度無料で見積もりを出してもらい検討してみることをおすすめします。
日照を確保できず狭い土地は駐車場経営
住宅街の真ん中などで土地の広さがそこまでなく、さらに日照を確保できない場合には、駐車場にしても良いでしょう。特に住宅街であれば、自宅に駐車場をつくらなかったものの自動車を所有した方など、需要があるかもしれません。
ですが、駐車場にするにもいくらか費用が必要です。費用を完全に抑えたい方にはおすすめできませんが、もしかしたら駐車場の経営以外に、土地に適した費用が少なくて済む活用方法が考えられるかもしれません。土地があるものの駐車場は微妙…と活用方法が見出せない方は、土地活用のプランを出してもらうと良いでしょう。土地情報を簡単に入力するだけで、無料で土地活用のプランを提案してもらえるためおすすめです。
運営会社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング | |
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運営開始時期 | 2001年11月 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 700万人 | |
提携会社数 | 50社 |
人に貸して活用方法を見出してもらう
どちらも初期投資として費用がかかりますので、自分で費用を負担したくなく、手軽に収入を得たい方には賃貸がおすすめです。人に貸すだけで管理する必要はなく、毎日決まった額が手元に入りますのでお得かもしれません。
賃貸にする場合には、どのように賃貸とするかいくら入ってくるのか、まずは査定してもらい見積もりを確認しましょう。
「不要な土地を売ってしまいたいけど、建物をなくして更地にした方が良いのか…」と悩まれている人はいるのではないでしょうか。土地を更地にして売却するのと、売った後に更地にするのとでは異なり、いずれにもメリットとデメリットがあります。土地を売[…]
土地査定前に相場を自分で調べる方法
不動産一括査定サイトを利用して土地査定をしてもらう前に大体の相場を知りたい、また、不動産会社の提示する土地の値段が妥当か自分でも計算したいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方のために、土地の相場を自分で調べる方法と、路線価から土地評価額を自分で計算する方法をご説明します。
実勢価格を土地総合情報システムで確認
土地査定を依頼する前に、近隣物件の相場価格を把握しておくと良いでしょう。
不動産会社の提示する土地査定額が適正な価格かどうかは、近隣物件の売却価格(実勢価格)や売り出し価格を知っておくと判断できます。
土地の相場を知るには、土地総合情報システムで近隣の土地がいくらで売買されているか確認するのがおすすめです。
土地総合情報システムは、実際に不動産売買をした方のアンケート結果をデータベース化したサイトで、国土交通省が運営しています。
実際の売買価格(取引価格)を土地と建物それぞれ確認できます。
路線価から土地評価額を計算する
自分で大体の土地の価格を計算する際には、路線価を用います。
路線価とは、道路が面する宅地1㎡当たりの価格のことで、土地を相続したときにかかる相続税を計算するために使われます。
基本的に路線価は、実際の売却価格より2割程度低い金額のため、次の計算式で大体の土地査定額を求めます。
それでは、実際に路線価を使って、「東京都中央区銀座5丁目7-4」にある50㎡の土地の査定額を求めてみましょう。
まずは、国税庁の「路線価図・評価倍率表」を開き、調べたい都道府県を選択します。
都道府県を選択した後に、”路線価図”を選択して、市区町村 → 丁番地を選択します。
土地の所在地を選択すると、下図のように路線価が書かれた画面が表示され、道路には「42,240A」の数字が確認できます。
後ろにアルファベットが書かれていますが、このアルファベットは借地権割合を示しているため気にする必要はありません。
この数字が路線価(単位は千円)で、道路に面する宅地の1㎡当たりの価格を表しています。
つまり、この矢印に面した道路の路線価は4,224万円/㎡と計算できます。
路線価が求められたら、土地査定額を計算してみましょう。査定額は以下のようになります。
路線価から調べた土地査定額には、土地の個別事情が考慮されていないため、あくまで概算価格となります。正確な査定額を知りたい方は不動産会社に依頼しましょう。
運営会社 | 株式会社LIFULL | |
---|---|---|
運営開始時期 | 2014年 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 612万人 | |
提携会社数 | 約1,700社 | |
同時依頼社数 | 6社 |
土地や建物の評価額はどのように計算されていて妥当な額であるのか、不動産の売却や購入を考えたり、固定資産税の納税通知所が届いたりした際に気になりますよね。土地や家など不動産の売却や購入、また相続では、不動産評価額の計算方法を知っておくと税[…]
不動産会社による土地査定額の評価方法
不動産会社による土地の査定には、訪問査定と簡易査定で2種類の査定方法があります。より正確な土地査定額が出せるのは訪問査定ですので、土地の売却を検討している方の多くが訪問査定を選ばれています。以下、それぞれの方法には以下の特徴があります。
訪問査定は、不動産会社が実際に土地の状況を見て、土地査定額を出してくれる方法です。
一方の簡易査定は、土地の種別や所在地など書類の情報のみから土地査定額を出す方法です。
それに加えて、土地をどのように評価するかは、以下3つの評価方法があります
土地査定の評価方法
- 原価法…費用面から評価する方法
- 収益還元法…収益面から評価する方法
- 取引事例比較法…市場面から評価する方法
不動産会社によって土地査定額に差が出てしまうのは、どの評価方法を取り入れているかが異なっているためです。
この評価方法についてご説明します。
【評価方法①】原価法
査定する土地を購入した時点での原価を基に、マイナスの要因から減価修正をして算出します。マイナス要因は以下の3つです。
マイナス要因
- 物理的要因…老朽化、経年劣化
- 機能的要因…機能的な陳腐化、設計の不良
- 経済的要因…近隣地域の衰退、環境との不適合
このマイナス要因を把握したら、減価修正をする際の減価額は、耐用年数に基づく定額法か定率法、もしくは観察原価法で減価額を計算します。
【評価方法②】収益還元法
収益還元法は、土地が将来生み出すであろう純収益の現在価値により、土地の価格(収益価格)を求める方法です。
この土地価格を求める際の純収益は、見込める純収益から維持管理費などの総費用を差し引き、その収益を利回りで割って計算します。
【評価方法③】取引事例比較法
取引事例比較法は、市場に着目した評価方法です。査定をする土地と同じ条件の取引事例を基に、事情補正と時点修正を行い、地域要因と個別要因を比較して土地査定額を算出します。
事情補正とは、買い手または売り手の情報・知識不足により適正に行われなかった場合など取引事情による補正です。その補正と併せて経過による価格の変動を考慮する時点修正を行い、取引事例の土地と査定する土地の地域要因と個別要因を比較して計算します。
この土地の取引事例は、査定地周辺の取引事例から不動産会社が任意に決定するため、不動産会社ごとに数万円違うと結果的に査定額に数百万円の差が生じることもあります。ですが、土地査定で見られている土地の地域要因と個別要因はほとんど同じですので、この要因をご説明します。
土地査定額の評点ポイント
土地の査定で提示される土地査定額は、先ほどご説明した計算方法に、これからご説明する土地評価項目(評点)を加味されて出されています。
この土地評価項目は、行政的条件・土地条件・街路条件・環境条件・接近条件の5つです。
【土地査定の評点①】行政的条件(公法規制)
行政的条件である公法規制とは、国や地方自治体が土地上に建設できる建物の種類や大きさなどを定めた規制のことです。土地の利用方法を制限しており、土地の価格に1番影響を与えています。この公法規制が厳しいと、建てられる建物の自由度が下がるために価格が下がります。
この工法規制は地域ごとに異なり、例えば、ある地域はマンションが建てられても、ある地域は戸建てしか建てられないと制限がかけられています。
この公法規制が普通を基準(0点)として、緩い(+3点)、やや厳しい(-3点)、厳しい(-5点)で評点付けをします。
利用規制と土地査定額の関係
日本全国の土地は、都市計画法により土地の利用規制が定められています。都市計画法は日本の都市を秩序を保ちながら開発するために定められた法律です。都市計画法では、人口が多いと居住環境が悪化しやすいため、人口の多い都市部ほど厳しい規制を定めています。
例えば、日本で最も人口の多い東京に何も規制がなかった際を想像してみましょう。東京は便利でビジネスチャンスも多いため、東京に土地を持つ人たちはたくさん家を建てたり商業施設を作ったりするでしょう。多くの人が一斉に建物を作ると都市にゴミが溢れ、公園など緑がなくなり住みにくい地域になります。このような無秩序な都市の開発を規制しているのが都市計画法です。
都市計画法では全国を都市計画区域、準都市計画区域、都市計画区域外の3つに分けています。3つのうち最も人口が多いエリアは都市計画区域で、これは大都市だけではなく、人口が5万人以下の小さな自治体でも都市計画区域に指定されています。
都市計画区域はさらに、市街化区域、市街化調整区域、非線引都市計画区域の3つに分けられます。
最も多くの人が住んでいる区域は市街化区域です。
市街化区域とは、既に市街地となっている区域、および10年以内に市街地化を推し進める区域を指します。例えば、東京23区のほとんどは市街化区域で、多くの人が住んでいるため用途地域として建てられる建物の種類に規制がかけられています。
一方都市計画区域の中で最も厳しい規制がかけられているのが市街化調整区域です。
市街化調整区域とは、田や畑を守るために定められた区域で、原則建物を建てることができません。土地の活用方法が制限されるため、土地の価値が大きく下がり、価格が低くなる傾向にあります。
都市計画区域外と準都市計画区域は、都市計画区域と比べて規制は緩くなっていますが、住んでいる人が少なく土地の需要は低い区域です。したがって都市計画区域と準都市計画区域は価格が低くなります。
用途地域と土地査定額の関係
市街化区域は人が多いため、市街化区域内において建てられる建物に制限をかけています。これを用途地域といいます。
用途地域は、商業系、住居系、工業系の3種類に分けられ、さらに現在13種類も細かく分類されており、それぞれ以下の特徴があります。
目的 | 用途地域 | 概要 | 1㎡当たりの単価 | 単価の比較 |
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住居系 | 第一種低層住居専用地域 | 低層住宅のための地域。小規模な店舗やオフィスを兼ねる住宅などが建築可能。 | 128万円 | 86.0% |
第二種低層住居専用地域 | 主に低層住宅のための地域。150㎡までの一定お店が建築可能。コンビニなども出店できる。 | 171万円 | 115.1% | |
第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅のための地域。大学などが設置できるが、住宅専用地域のためオフィスビルなどは建築不可。 | 163万円 | 109.7% | |
第二種中高層住居専用地域 | 主に中高層の住宅のための地域。2階以下で1500㎡までのお店や事務所、大学などを建築可能。 | 139万円 | 93.9% | |
第一種住居地域 | 住居の環境を保護するための地域。大規模なマンションなどが建築できる。パチンコ店やカラオケボックスなどの建築は禁止。 | 165万円 | 111.2% | |
第二種住居地域 | 主に住環境を保護する地域。大規模店舗、カラオケボックスなども建築可能。 | 215万円 | 144.5% | |
準住居地域 | 住宅系の用途地域で最も許容範囲が広い地域。200㎡より小さければ、映画館や営業用倉庫なども建設可能。 | 110万円 | 74.0% | |
田園住居地域 | 低層住宅と農地の混在で良好な住環境を保つ。平成30年4月から導入された新しい区域。 | データなし | データなし | |
商業系 | 近隣商業地域 | 近隣の住宅の住民に日用品などの販売する商業地域。飲食店、展示場など建設可能。 | 169万円 | 114.1% |
商業地域 | 商業の利便性を進めるための地域。一定の工場などを除いてほとんどの建築物をたてられる。 | 295万円 | 199.0% | |
工業系 | 準工業地域 | 住宅と工場が混ざる地域。火災の危険や健康への有害度が高い工場は建設禁止。 | 92.5万円 | 62.5 |
工業地域 | 環境悪化の恐れがある工場も建築可能なエリア。住宅・店舗の建設は可能だが、学校や病院は不可。 | 95万円 | 64.2% | |
工業専用地域 | 石油類やガスなど危険物の貯蔵・処理の量が多い工場が建てられる。住宅や店舗は建築不可。 | 住宅の建築は不可 | 住宅の建築は不可 |
出典:国土交通省「不動産取引価格情報」
前段で説明した通り、土地にかけられている規制が厳しいほど土地の価格は低くなります。
用途地域においては、商業系の地域は規制が最もゆるく土地の活用方法が多いために、価格が最も高くなります。対して、規制の厳しい第一種低層住居専用地域や、工場が立ち並び環境悪化の危険性がある工業系の地域は価格が低くなります。
所有している土地がどんな用途に指定されているかにより、査定額は大きく異なります。用途地域の調べ方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
自分の土地の上に何を建てるのかは、原則として所有者の自由であるはずです。しかしながら、現実には用途地域と呼ばれる規制によって、建てられる建物は制限され、違反すると罰則もあります。では、なぜ自分の土地なのに、建物を自由に建てること[…]
【土地査定の評点②】土地条件
土地条件とは、面積や形状など売りたい土地自体が有している特徴のことです。土地査定額に影響を及ぼすポイントは以下のようになります。
土地条件
- 面積(画地規模)
- 形状
- 間口・奥行比
- 土壌汚染や地下埋設物
地盤調査は土地に建物を建てる際に安全性を確保するための調査です。調査は一般の戸建ての住居を建てる場合に行われるものマンションやビルなどの規模の大きな建物の場合に行われるもので違いがあります。また、土地の売却前に地盤調査を行うことには[…]
面積(画地規模)
面積の広さは土地査定額に大きな影響を及ぼします。面積も公法上の規制同様、土地に建てられる建物の種類を制限するからです。
また、面積が広いと相場よりも価格が高くなる土地と低くなる土地の2種類あります。
広いと土地評価額が高くなる土地
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- マンションやアパート、オフィスビル、商業ビルなど
広いと土地評価額が低くなる土地
- 第一種低層住居専用地域内の土地(高さ10m程度の建築可能)
- 市街化調整区域内の土地
- 土地の需要が低いエリアなど
マンションを建てるには、行政的条件に加えマンションが建設可能な広さの土地であることが条件です。
例えば、マンションの建設可能なエリアでも、土地の面積が30坪しかなければマンションを建てることはできません。このような戸建てしか建てられない小さな土地と比較して、マンションを建てられる大きな土地の方が価格が高くなります。
土地査定の際には、標準的な画地規模を基準に、規模が大きいか小さいかで判断します。
対象地積㎡ / 標準的地積㎡ = 培率
倍率から、0.5未満(+10点)、0.5~0.8未満(+5点)、0.8~1.2未満(0点)、1.2~1.5未満(-5点)、1.5~2.0未満(-10点)、2.0以上(-15点)で評点付けをします。
形状
土地には、建物を建てやすい形状と建てにくい形状があり、建てられる建物が制限されるため、査定額に影響を与えます。
建物を建てやすい形状とは、以下の写真のような長方形(整形)で、整形の土地が最も価格が高くなります。
整形(0点)、やや不整形(‐5点)、不整形(-10点)、相当に不整形(-15~-20点)、極端に不整形(-30点)で評点付けをします。
一方、三角形や蛇の形をした不整形な土地は、建物を建てにくいために相場よりも査定額が低くなります。
ただし、不整形な土地でも面積が広ければ土地利用に悪影響を及ぼす部分の割合が小さくなるため、土地価格に与える影響は少なくなります。
形状は単に形だけが見られるのではなく、土地面積も考慮されて査定額に反映されることを覚えておきましょう。
間口・奥行比
間口・奥行の関係も土地査定額に影響を与えます。
土地は接面道路に間口が広いと使いやすく、価値が高くなります。対して、間口が狭く奥行きが長い土地は、利用しにくく価値が低くなります。
例えば、間口が広いと車2台分の駐車場を作れますが、間口が狭いと駐車場は無論、車の通るスペースすら確保できない状況も起こりえます。
間口の広さは、土地の設計の自由度を向上させる効果があり、広い間口を持つ土地は相場よりも価格が高くなります。
間口・奥行比
- 1.5m未満(0点)…間口に対して1.5m未満までを基準
- 1.5~2.0未満(-5点)…間口に対して奥行が1.5~2.0m長い
- 2.0以上(-10~-15点)…間口に対して奥行が2.0m長い
- 間口狭小宅地(‐評点)…間口が狭小の土地(袋地を除く)や私道の突き当り画地
土壌汚染や地下埋設物
土地が以前工場用の土地として使われていたなどの事情で土壌汚染や地下埋設物が発見された場合は、土地の価格が大きく下がります。
ただし、土壌汚染や地下埋設物は専門機関による調査が必要となるため、不動産会社が行う土地査定では調査の対象となりません。
とはいえ、土地の売却後に買主が土壌汚染や地下埋設物を発見した場合には、売主が瑕疵担保責任を負う必要があります。土地に何かしらの瑕疵がある場合は、早めに不動産会社へ相談するようにしましょう。
不動産を売却する機会は一生のうちにそう何度もありません。そのため、売却時にトラブルが起きないかと不安を感じる人も多いでしょう。トラブルを回避するために不動産売却時に必ず知っておきたいことが瑕疵(かし)担保責任です。瑕疵とは、[…]
【土地査定の評点③】街路条件
街路条件には、以下の3つがあります。
街路条件
- 接面道路の幅
- 道路の舗装状況
- 公道と私道
- 接面道路との高低差
街路条件について説明する前に、まず接道義務をご説明します。
まず、都市計画区域・準都市計画区域の土地に建物を建設するためには、接道義務を満たしていなければいけません
接道義務とは、副幅4m以上である建築基準法上の道路に間口が2m以上接していなければ、建物を建ててはいけない規則のことです。これは、火災や救急の際に消防車や救急車など緊急車両が通行できるよう定められています。
例えば、Aの土地は接道義務を満たしており建物を建てられますが、Cの土地は接道義務を満たしておらず建物を建てられません。
Cのような道路に全く接していない土地は無道路地と呼ばれ、建物を建設できないため価値は大きく下がります。
土地を売却しようと調べて、接道義務という言葉を見かけたことはありませんか。またリフォームか建て替えかを検討した際に、再建築可能かどうかを調べるように言われた方もいらっしゃるでしょう。接道義務は、建物を建てる敷地は道に接するべ[…]
接面道路の幅
査定地の前面に接している道路(接面道路)の幅も査定額に影響します。
接面道路の副幅が狭い土地は大きな建物を建てることができないため、土地査定額は下がります。
幅が広くても、構造から出入り口として利用できない場合には、以下のように評点付けをします。
接面道路の幅
- 再侵入不可(‐10点)…幅が広くてても出入り不能であれば
- 4m未満(-5点)…4m未満は一律
- 4m以上(0点)…幅4m以上を基準
- 5m以上(+2点)…1m幅増ごとに+1
土地には容積率という建物の大きさを制限する規制がかけられています。容積率とは敷地面積に対する延べ床面積(床面積の合計)割合のことで、200%や400%と数値で表されます。容積率が高いほど階数の高い建物を建てられますので、土地査定額は高くなります。
この容積率は接面道路の副幅により変わります。住居系の用途地域であれば接面道路の副幅に0.4をかけたもの、非住居系の用途地域の場合は接面道路の副幅に0.6をかけたものが、その土地の容積率です。
例えば、住居系の用途地域で容積率の上限が400%と定められているケースを考えてみましょう。
接面道路の副幅が5mしかない土地であれば、容積率=5×0.4×100%=200% となり、その土地の容積率は200%となります。接面道路の副幅が広い土地であれば容積率は400%なのに、例に挙げた土地だと容積率は200%に制限され、高い建物が建てられません。
接面道路の副幅が広ければより高い建物を建てられますが、狭いと低い建物しか建てられず、土地査定額は下がることもあります。
道路の舗装状況
道路の舗装状況も土地評価額に影響を与えます。
舗装状況は、完全舗装・簡易舗装・未舗装で判断し、完全舗装であれば減点されず、未舗装であれば大幅に減点されます。
舗装状況
- 完全舗装(0点)…コンクリート、アスファルト舗装など
- 簡易舗装(-2点)…簡易アスファルト舗装など
- 未舗装(-5点)…砂利敷道路など
公道と私道
接道義務はあるものの、公道ではなく私道だった場合には、土地評価額は下がります(公道を0として私道は‐1ポイント)。
接道義務により、広い土地が戸建分譲用地として売りに出される場合、道路が新しく作られるケースもあります。
新たに作られる道路は、市区町村が所有する公道となったり、個人が所有する私道となったりします。例えば、以下のように小規模な道路が作られた場合は、私道になるケースが多く、この私道はABCDの4人で共有します。
私道は、道路の部分は接道義務を満たすための措置で経済的価値はありません。また、道路を補修するための道路補修費等の負担が所有者である個人(ABCD)に降りかかります。私道部分は査定額が0になるほか道路補修費等の負担を考えて査定額が低くなります。
接面道路との高低差
接面道路と敷地の間の高低差は、宅地としての利便性や快適性に影響を及ぼすため土地の価格に影響を与えます。
査定地が接面道路より低い場合は土地の価格が大幅に下がります。査定地が接面道路よりも低いと、雨が降った時に道路に降った雨水がすべて敷地に流れ込んで、排水をする際に敷地内でポンプアップしなけらばならないからです。
逆に敷地が接面道路よりも少し高い土地は、排水面で有利になるため1.5mまではマイナス評価されません。
ただし、接面道路から高すぎる土地(1.5m以上)は階段を設ける必要があり、コストがかかるため土地査定額は下がってしまいます。
したがって、1.5m未満の接面道路よりも少し高い土地が最も良い評価をうけます。
接面道路との高低差
- 道路より低い(-10~点)…1m以上
- 道路より高い(-5点)…1m未満
- 道路と等高(0点)…等高または1.5m未満高い
- 道路より高い(-2点)…1.5m以上~2.5m未満
- 道路より高い(-3点)…2.5m以上
【土地査定の評点④】環境条件
土地査定額には、以下の環境条件が考慮されます。
環境条件
- 騒音と振動
- 日照と通風
- 眺望と景観
- 嫌悪施設が周辺にあるか
騒音と振動
騒音や振動は、住むにあたり重要な問題のため、土地査定額に影響します。
以下、4段階で判断されます。
騒音と振動
- なし(0点)…交通量が少なく閑静
- ややあり(-3点)…窓を閉めれば気にならない程度
- あり(-5点)…窓を閉めても騒音が残る状態
- 相当にあり(-10点)…窓を閉めても騒音・振動がかなり残る状態
日照と通風
日が当たるか、風が通るかも土地査定額に影響します。
以下、4段階で判断されます。
日照と通風
- 優る(+5点)…南側に日照採光と通風を遮る物がなく、庭先への日照確保
- 普通(0点)…日照採光と通風が普通、1階部分の日照確保
- やや劣る(-5点)…1階部分への日照阻害がある
- 劣る(-10点)…2階部分への日照阻害がある
眺望と景観
土地査定額には、そこから何が見えるかも影響します。
眺望と景観は、以下の4段階から判断されます。
眺望と景観
- 優る(+5点)…著名な景勝地(海・山)の眺望あり
- やや優る(+3点)…高台の住宅地で山・川の景観、遠景あり
- 普通(0点)…一般的な住宅地で、特に好ましい遠景なし
- 劣る(‐3~5点)…住環境として好ましくない施設が見える
嫌悪施設が周辺にあるか
査定地の周辺に規模の大きい変電所、ガスタンク、汚水処理場、ごみ焼却場、墓地などの住民に危険感や不快感を与える施設があると土地査定額は下がります。また、施設とは言わないまでも電柱やごみ置き場などが土地のそばにある場合も同様です。
嫌悪施設に該当すする条件や、土地査定額に影響する程度かは、査定する不動産会社の担当者の経験に任せられていて、決まった基準がありません。悪臭が我慢できる程度を超えていたり、強力な電磁波を発する施設が隣にあったりする場合は、土地査定額を大きく下げる要素になります。これら嫌悪施設の存在は、売却時に読み上げる重要事項説明書に記載することを決められています。
規模の大きい嫌悪施設がそばにある場合はどうしようもありませんが、電柱やごみ置き場程度であれば持ち主との交渉次第で動かせる場合もあります。土地査定後に不動産会社の担当者に相談してみると良いでしょう。
【土地査定の評点⑤】接近条件
土地の査定では、最寄り駅や公共施設名までの距離である接近条件からも判断されます。
以下3つの接近条件が、土地査定額に影響を与えます。
接近条件
- 最寄り駅までの距離
- 公共施設までの距離
- 商業施設までの距離
最寄り駅までの距離
最寄りまでの距離が土地査定額に影響を与えることは周知の事実でしょう。
この距離は、徒歩圏とバス圏に分けて査定されます。
徒歩圏は、最寄り駅から徒歩20分(1,600m)までとして、80mを1分で徒歩何分の距離で計算します。
バス圏は、最寄り駅まで徒歩20分(1,600m)を超える場合を対象とし、以下から判断します。
バス圏の判断基準
- 最寄りバス停までの所要時間…3分を基準(0)として1分ごと±1点
- バスの乗車時間…乗車10分を基準(0)として1分ごと±1点
- バスの運行頻度…1時間に6~12便を基準(0)として本数が多少で±3点
例えば、最寄り駅までの距離が徒歩5分の土地と徒歩10分の土地では価格に差がありますが、徒歩20分と徒歩25分の土地間には価格差がほとんどありません。
公共施設までの距離
公共施設までの距離も、土地査定額を算出する際には重要なポイントとなります。
役所・病院・教育施設への距離から総合的に判断されます。
公共施設までの距離
- 優る(+2点)…徒歩10分以内に公共施設が完備
- 普通(±0点)…徒歩10分以内に公共施設が概ね備わっている
- 劣る(‐2点)…公共施設が付近になく、利便性に欠ける
商業施設までの距離
食料品や衣料品など生活必需品を購入する商業施設までの距離は、土地査定額にかなり影響を与えます。
スーパーや商店街が近くにあるかは、以下で判断されます。
商業施設までの距離
- 優る(+2点)…徒歩5分以内に商業施設がある
- 普通(±0点)…徒歩10分以内に商業施設がある
- 劣る(‐2点)…徒歩圏内に商業施設がない
土地査定方法とそれぞれの流れ
不動産会社による土地の査定には、訪問査定と簡易査定で2種類の査定方法があります。より正確な土地査定額が出せるのは訪問査定です。
不動産会社による土地査定では、取引事例比較法による土地査定が多く行われています。実際に売買された土地を事例地として、査定する土地である査定地と比較しながら土地査定額を算出します。
それぞれの土地査定方法と流れを確認しておきましょう。
土地の相場を知るための机上査定
机上査定は、土地の種別や所在地など書類の情報のみから土地査定額を出す方法です。
今すぐ土地を売却する気はなく、土地の値段がいくらか知りたいだけであれば、こちらの机上査定を選択すると良いでしょう。
不動産会社による机上査定は、以下のように進みます。
【机上査定①】不動産会社に査定を依頼する
不動産一括査定サイトを使い、土地査定を依頼します。
不動産会社は入力された情報を基に、査定地に似ている土地で、実際に売買が成立した土地の情報を探します。土地が駅からどのくらいの距離にあるか、土地の状態はどうかなど、査定ポイントをもとに取引事例を選択します。
【机上査定②】不動産会社は査定地の価格を計算
不動産会社は、この取引事例地が実際にいくらで売買されたかを詳細に調べ、査定地の条件を比較していきます。
比較した条件から、価格を計算していきます。
【机上査定③】土地査定額をメールか電話で連絡
不動産会社は土地査定額の計算を終えたら、査定を依頼した方にメールか電話で結果を報告します。
大体の場合はメールで連絡されますが、場合によって電話で土地査定額を伝えられることもあるようです。
土地を売却するなら必要な訪問査定
訪問査定は、不動産会社が実際に土地の状況を見て、土地査定額を出してくれる方法です。
土地の売却を考えているのであれば、机上査定ではなく訪問査定をおすすめします。実際に、土地の売却を検討している方の多くは訪問査定を選ばれています。ただし、訪問査定を選択した場合には、多くの不動産会社から電話がかかってくるだけでなく、営業電話が毎日のようにかかってくる可能性もありますので注意が必要です。
具体的には、以下の流れで訪問査定が進みます。
【訪問査定①】不動産会社に査定を依頼する
まず、不動産一括査定サイトから土地査定を依頼します。
不動産会社は査定の依頼者が入力した情報を基に、実際に取引された土地の情報を探します。土地が駅からどのくらいの距離にあるか、土地の状態はどうかなど、先述した査定ポイントをもとに取引事例を選択します。
【訪問査定②】訪問査定の日時を確定
訪問査定を依頼した場合には、不動産会社から電話がかかってきますので、口頭で査定の日時を決めます。何社もの不動産会社から電話がかかってくることも考えられますので、心積もりが必要です。
また、日時を調整する際には、査定に費用がかからないか確認することをおすすめします。一括査定サイトの利用は無料であり、そこから依頼する不動産会社の多くは無料で査定をしてくれますが、不動産会社によっては査定にかかる費用を後ほど請求してくるところもあります。
日時が確定したら、査定に向けて必要な書類を集めておきましょう。
【訪問査定③】土地の現地調査と書類の確認
不動産会社が、実際に現地に来て土地の調査をします。
土地に瑕疵がないか土地の条件はもちろん、環境条件など先述した5つの土地査定ポイントから細かく土地を査定します。
この際に、不動産会社から実際の土地の状態などを聞かれることがありますので、後に問題とならないようにきちんと対応しましょう。
【訪問査定④】取引事例と比較して土地査定額を計算
現地調査で確認した点と土地に関する書類をもとに、不動産会社が事例地と査定地の条件を比較します。
土地査定の評点項目から個別格差など条件の差分を計り、土地査定額を計算します。
土地の面積 × 相場の坪単価 × 個別格差 = 土地査定額(調整前)
【訪問査定⑤】流通性比率と相場から土地査定額を計算
比較して出した土地査定額を、現在の市場にどのくらい流通しているか、流通性の度合い(市場調整率)から土地査定額を調整していきます。そして、相場と比較して妥当かどうか判断されて、土地査定額が決まります。
土地査定額(調整前) × 流通性比率(0.93~1.07の範囲) = 土地査定額(調整後)
【訪問査定⑥】土地査定額の結果報告
以上の土地査定を踏まえて、土地査定額を報告されます。
訪問査定をした日にそのまま伝えられることもあれば、1度持ち帰って電話で報告される場合もあります。
この土地査定額の報告に際して、なぜその土地査定額になったのか、不動産会社に必ず確認しましょう。どのように査定をしたか計算の過程を聞くと、仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際の判断もしやすくなります。
土地査定を終えたら、不動産売却の流れと同じように進みます。
土地を売りたいけれど、誰に売ればいいのだろう?土地を売りたいけれど、売り方がわからず不安...両親が住んでいた家付きの土地を相続したなどで、初めて土地の売買を考えている方は、土地を売る初めての経験に頭を抱えているのではないでしょ[…]
土地の売却前には無料査定で見積もりを出してもらおう
土地を売却するべく土地査定をするときは、不動産一括査定サイトを用いて複数の不動産会社に土地の査定を依頼しましょう。
土地査定額は不動産会社ごとに異なります。土地の売却で後悔しないためには、1つの不動産会社に固執するのではなく、複数の不動産会社の話を聞いてから1つに絞ることです。仲介を依頼する不動産会社を選ぶときは査定額だけでなく、査定額の根拠や担当営業マンの人柄など総合的に情報を集めた上での判断をお勧めします。
土地査定をしたら、実際に売却に向けて動き出しましょう。売却の流れは、以下からご確認ください。
初めての不動産売却では、不動産売却の流れや契約の手続きは全体的にどうなっているのか、どのような書類が必要か、わからないことだらけかと思います。家や土地などの不動産売買では大きな金額が動くことや、人生でそう何度も不動産の売却を経験しないこ[…]
運営会社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング | |
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運営開始時期 | 2001年11月 | |
対象エリア | 全国 | |
累計利用者数 | 700万人 | |
提携会社数 | 1,300社 | |
同時依頼社数 | 6社 |